Indifference

　主人公は「かたつき」で社会人という設定でありますが、この時点で深く考え込まざるを得ません。

　なんせ、社会人の要素が「かたつき」に無いからです。

　部屋や容貌を見れば明らかで、社会人というより幼児に近い。

　結論から言いますと「かたつき」は幼児退行していると考えられます。

　以下、その結論に至った理由を適当に書いていきます。割と乱文です。「それはこじつけだろう」というものがあるのも承知しています。

　まず、「かたつき」の部屋についてです。

　ぱっと目に付くのは散乱したクレヨンと、机の上に置かれた自由帳ですね。そんなものが社会人の部屋にあるでしょうか。絵を仕事や趣味にしている社会人はもしかするとクレヨンがあるかもしれませんが、そういった場合はキャンパスくらいあるんじゃないでしょうか。少なくとも、自由帳にクレヨンで描くことは無いと思います。

　そこに「かたつき」の幼稚さが見られます。

　これは原作『ゆめにっき』の主人公「まどつき」を意識したからでしょうが、社会人であるのに服装が年相応のものではありません。「かたつき」は髪をリボンで結んだりすることから女性だということが考えられます。女性であれば社会人くらいの年になればそこそこの服装をするはずです。しかし青いパーカーに茶色のズボン、と幼めです。

　休日だから適当な格好をしているという可能性もあるので、あまり良い根拠ではありませんが、よく見ると部屋の中にいるにも関わらず靴を履いています。かたつきが外国育ち、または「家の中で靴を履いてはいけないと教わっていない」とすると靴を履いているのにも頷けます。しかし「ちらみせ」のエフェクトでわかるように、「かたつき」の瞳は黒であるので家の中で靴を履く文化の国出身でないことが分かります。

　したがって、「クレヨンで絵を描く」「家の中で靴を履いている」ことがかたつきが幼児退行しているという根拠になります。

　「かたつき」の発想、連想には幼さが見られます。例えば、さかなのエフェクトを取ると移動速度が速くなります。「さかな」から連想される動作は大抵は「泳ぐ」ですが、夢を見ている「かたつき」は「動きが早くなる」と捉えたようです。

　そして「時計」のエフェクトですが、これの効果は扉の間に戻ることです。時計の針がぐにゃぐにゃと曲がりながら反時計回りに回って、そして扉の間に戻ります。つまり、「時計の針が逆回りになって、元いた場所に戻る」わけです。「かたつき」は「時計の針が逆回り」＝「時間も戻る」と考えていて、それがあったから元いた扉の間に戻ったんじゃないでしょうか。そのような発想に至るのは、時間は不可逆性であるということを知らないからです。これも「かたつき」が幼児退行していると考える理由のひとつです。

　また、その時計の針が逆回りに回るのは「幼児退行」の暗示なのかなあと。これは別にそう思っただけで、大した根拠は考えてないんですがねw

・「時計」のエフェクトで針が逆回りに回ること

・飴玉の部屋で銛のようなフォークに触れると、音楽が逆再生されること

　下記は幼児退行の考察とあまり関係ありませんし、そこまで深く考えてませんが一応あげておきます。

　夢について、多くの精神分析家が「夢に無意識が現れる」と認めていて、その「無意識」に当たるものは様々ですが、かたつきの夢に当てはまりそうなものをあげていきます。

　・象徴夢

　　　自分に潜在している本心や真実を何かをシンボルにする事で間接的に教える夢。

　・補償夢

　　　現実で実現不可能な願いや望みを実現・実行している夢。

　・逆補償夢

　　　恐れている事を実現・実行している夢。「怖いもの見たさ」の心理で見ることがある。

　

　この中だと象徴夢が一番当てはまるかなと。飴玉の部屋でいうと、「飴玉＝甘え」のように比較的考察しやすいですし。『ゆめにっき』や『ゆめにっき派生』でも象徴夢だとして考察する人が割と多く見られます。

　補償夢という面も私はあると思っています。学校の生徒を彫刻刀で刺殺していっても、誰にも咎められない。現実では出ていけない扉も、夢の中で出ていける。エフェクトの魚や蝶になる。等等。

　逆補償夢も無くも無いかなあと。頭に鉛筆ブッ刺すなんて普通に恐いですからね。あとかたつきが彫刻刀で学校の生徒を刺していく事を怖がっていたら、それもあるかなあと。

　と、適当に書きなぐって考察してみましたが、実はまだエフェクト全て集め終わっていなかったりします。エフェクトを全て集め終わって、考察に変更があったりしたら修正・追記しようと思います。